阿部 定


かの有名な阿部定事件が起きたのは、

わたしの住まいのごく近所であった。

そう知ったのは、ごく最近。それはひとつの驚きだった。


これまでに、映画鑑賞という趣味の一貫として

大島渚・監督『愛のコリーダ』や、大林宣彦・監督『SADA』を

見たことはある。

そして「阿部 定」が何故、かような行いにまで至ったのか

漠然たる興味と好奇心を抱き続けていたことも事実であった。

今回、この事件が尾久で起きたことを知り、

この際、詳しく識ってみよう、と重い腰を上げるに至った。


資料を調べていく中で、

わたし自身が勝手にイメージしていた阿部 定・像が

大きな勘違いであったとわかり、ショックであったと同時に

「メモ」として、ぜひ残しておきたい衝動にかられ

かようなページを作成するに至る。


ひとりの人間が、その人生の中で、

興味を注ぐ対象(所謂「マイブーム」)たるや、幾千万、

そのときどれほど夢中になったとて、

しばらくすれば、それもすっかり忘れてしまう。

ならば、阿部定に興味を抱いた「記念碑」代わりに

「残して置こう」と思った次第である。


ここでは「性の虜(とりこ)」では決してなかった阿部定を、

そしてあの事件が、ひとりの若い女性の「悲劇」であり、

「“純愛”のなれの果て」であったことを

お伝えすることができたら、と願う。



もしも私が優れた表現者であったなら

そして「力」と「情熱」と「可能性」が、もしもあったのなら、

私なりの阿部定・像を映画として残せたものを。。。。。。。


平成14年 夏 〜 秋 * * * 美 奈




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